転職活動のサポートをしてくれる転職エージェントですが、紹介された仕事や企業からの面接、内定を断りたい時や、転職エージェントを退会したい時はどんな方法で断ればいいのでしょうか。
ここでは、注意点や退会方法も交えながら、メールや電話での転職エージェントの断り方をメールの例文付きでご紹介していきます。
転職エージェントは途中でも断ることができる
転職エージェントは、利用している途中(最中)でも断ることができます。
断るタイミングによって断り方は違ってくるため、断る際の手段やメールの例文は後述する見出しを参照してください。
連絡を無視したり放置するとブラックリスト入りする恐れも
転職エージェントからの連絡を無視したり、放置しているとサービスの利用を停止されることもありますが、退会したい場合はきちんと退会手続きを行ってください。
連絡を無視したり、放置してサービスの利用を停止した場合、エージェントからの信頼を失っていわゆるブラックリスト入りの状態となり、今後利用を再開したいと思った時に断られる恐れがあります。
個人情報は厳しく管理されているため、各転職エージェント間でブラックリストの情報が共有されることはありませんが、一度トラブルを起こした転職エージェントは二度と利用できないと考えておいた方が良いでしょう。
転職エージェントの退会方法
何らかの理由で転職エージェントの利用をやめたいと思ったり、退会して別のエージェントを利用したいと思った時は、現在利用している転職エージェントを退会してください。
退会方法はエージェントによって異なりますが、例えばリクルートエージェントの場合は、インターネットから転職支援サービスの退会(キャンセル)が可能です。
インターネットから退会できないエージェントの場合や、退会方法が分からない場合は電話で問い合わせて退会手続きを行います。
担当者の変更は可能
転職エージェントを利用してみて担当者(キャリアアドバイザー)が自分に合わないと感じた場合は、担当者を変更してもらうこともできます。
担当者を変更したい場合は、本人に直接伝えるよりも別のスタッフや担当者に伝えた方が角が立ちません。
その際に変更を申し出た理由を聞かれることがありますが、次の担当者で同じ失敗を繰り返さないためにも正直に伝えましょう。
転職エージェントを断る手段(方法)
転職エージェントを断る手段(方法)は以下の通りです。
- メール
- 電話
- 直接会って伝える
メールは気軽に送れるので便利ですが、内定の辞退などはメールで断ると失礼にあたるため、何を断るか状況やタイミングによって使い分けてください。
いずれにしても、相手の都合もあるため断りたい場合はなるべく早くに連絡を入れることが重要です。
ただし、深夜に連絡を入れるのは避けて、なるべく営業時間内に連絡を入れるようにしましょう。
書類選考や面接を断る際には理由を添えて、なぜ断ることになったのかを考察することで、次の転職活動に活かすことができます。
状況やタイミングに応じて断り方の手段は異なる
状況やタイミングに応じた断り方の手段を以下にまとめました。
状況・タイミング | 断り方(断る手段)の例 |
---|---|
エージェントとの面談を断りたい | 面談前なら退会を行う・日程変更の場合はメール |
紹介された案件を断りたい | メール |
書類選考を断りたい(辞退したい) | 電話や口頭で直接伝えた上でメールを送る |
企業との面接を断りたい | 電話や口頭で直接伝えた上でメールを送る |
内定を断りたい(辞退したい) | 電話や口頭で直接伝えた上でメールを送る |
転職活動を一時的に休みたい | メール |
転職エージェントを退会したい | インターネット・電話など(各社異なる) |
このように、ケースに応じて複数の手段を組み合わせた方が良い場合もあります。
話が進んだ段階で断るのはなるべく避ける
求人情報に応募する前の段階であればエージェントの担当者に対して断るだけで済みますが、書類選考や面接、内定と段階が進んだ状態で断ると企業にも多大な迷惑がかかってしまいます。
また、選考や面接、内定を断るような人材を企業に紹介したとして転職エージェントの信頼を損ねることにもなるので、話が進んだ段階で断るのはなるべく避け、どうしても断りたい場合は事情を説明して失礼のないように謝罪してください。
転職エージェントを断るメールの例文
続いて、転職エージェントを断る際に送るメールの例文をご紹介していきます。
転職エージェントが親身になってサポートしてくれているため断りづらいという方は、メールで断るのがおすすめです。
ただし、メールで断るのが失礼にあたるケースもあるため注意してください。
ここでは、以下のケース別に例文を作成しました。
- エージェントとの面談を断りたい
- 紹介された案件を断りたい
- 書類選考を断りたい
- 企業との面接を断りたい
- 内定を断りたい
- 転職活動を一時的に休みたい
- 転職エージェントを退会したい
メールを作成する前に、ビジネスメールの基本のポイントを押さえておきましょう。
ビジネスメールの基本を踏まえてメールを作成する
転職エージェントにメールを送る場合は、相手に失礼のないようにビジネスメールの基本を踏まえて文面を作成してください。
件名は、本文を読まなくてもある程度メールの内容を把握できるように記載しておきましょう。
- 宛名(転職エージェントの社名・部署名・名前)
- 挨拶
- 名乗り(自分の会社名・部署名・名前)
- 本題(最初に趣旨や結論を簡潔に説明する)
- 詳細(本題に関する詳細)
- 結びの挨拶
- 署名(会社名・部署名・名前・住所・電話番号・メールアドレスなど)
宛名に記載する転職エージェントの社名は、(株)と省略せずに株式会社と記載してください。担当者の名前には「様」の敬称を付けてフルネームで記載します。
始めの挨拶に続き、自分の会社名や部署名・名前を記載します。
次に、本題を簡潔にまとめて説明した上で詳細についても記載してください。
用件を伝え終えたら、結びの挨拶をして署名を添えます。
署名は予めテンプレートとして以下のように作成しておくと便利です。
署名例
──────────────────
〇〇株式会社××部△△課
鈴木 太郎 主任
〒123-4567 東京都〇〇区△△1-23
電話:01-2345-6789
携帯電話:000-0123-4567
Mail:abc@defg.co.jp
──────────────────
続いて、シーン別にメールの例文を交えて詳しく見ていきます。
あくまでも例文(文例)なので、状況に応じて適宜調整を行ってください。
エージェントとの面談を断りたい・日時を変更したい
エージェントとの面談を断りたい場合は、状況やタイミングによって断り方が変わってきます。
転職エージェントの会員登録を行ってまだ一度も面談を行っていない場合は、サービスの退会を行うことにより面談を断ることが可能です。
面談の日時を変更したい場合は、以下のようにメールを送りましょう。
面談の日時を変更したい場合のメールの例文
件名:アポイント日程変更のお詫び
〇〇エージェント株式会社
△△様
お世話になっております。
株式会社〇〇の△△です。
大変申し訳ございませんが、日程変更のお願いがあり、
ご連絡致しました。
下記の日程のうち、可能なお日にちにご変更頂けませんでしょうか。
(1)〇月〇日(〇曜)終日
(2)〇月×日(△曜)〇時~
(3)〇月△日(×曜)〇時~
上記日程でご都合が合わない場合は、ご希望の日時を
ご教示頂けましたら幸いに存じます。
こちらの勝手な都合により、ご迷惑をおかけしますことを
深くお詫び申し上げます。
度々恐れ入りますが、再度ご都合を伺えればと存じます。
何卒よろしくお願い致します。
(署名)
紹介された案件を断りたい
エージェントとの面談を行った後に紹介された案件を断りたい(応募を辞退したい)場合は、理由を添えてなるべく早くに連絡をしてください。
あまり何度も案件を断り続けていると仕事を紹介されなくなる恐れもあるため注意しましょう。
メールで送られてきた案件を断る場合、自動配信で多くの会員に送られているメールに返信する必要はありませんが、担当者から個別に送られてきたメールに対してはきちんと返信する必要があります。
紹介された案件を断る場合はメールの連絡だけでも問題はありませんが、担当者が全てのメールを読んでいるとは限らないので、電話や口頭でフォローしておくと安心です。
紹介された案件を断りたい場合のメールの例文
件名:今回のご提案について
〇〇エージェント株式会社
△△様
お世話になっております。
株式会社〇〇の△△です。
案件をご紹介頂き、ありがとうございます。
詳細について確認致しました。
大変心苦しいのですが、今回は失礼ながら見送らせて頂きます。
待遇は希望と合致しておりますが、勤務地が遠方であるのが理由です。
今後、〇〇付近で電車通勤が可能な企業がありましたら、
ご提案頂けますと嬉しく思います。
希望条件が厳しいようであれば、ご指摘頂けますと幸いでございます。
今後ともお力添え頂けますようお願い申し上げます。
(署名)
書類選考を断りたい
求人情報に応募した後で書類選考を断りたい(辞退したい)場合も、まず先に電話や口頭でなるべく早くに連絡をしてください。その後にメールを送りましょう。
連絡をメールだけで済ませると、担当者がメールを読んでおらず話が伝わっていなかったというトラブルの原因になるので注意してください。
応募を行って書類選考まで進むと、エージェントに加えて企業にも迷惑をかけてしまうので、できるだけ避けた方が無難です。
書類選考を断りたい(辞退したい)場合のメールの例文
件名:選考辞退のお詫び
〇〇エージェント株式会社
△△様
いつもお世話になっております。
現在、書類選考を受けさせて頂いております株式会社〇〇の△△です。
大変心苦しいのですが、一身上の都合により
書類選考を辞退させて頂きたく、ご連絡致しました。
条件などを考慮した結果、このような結論となり
心よりお詫び申し上げます。
お忙しい中、時間を割いて頂いたにもかかわらず、
誠に申し訳ございません。
恐れ入りますが、ご了承のほどよろしくお願い致します。
今後ともお力添え頂けますようお願い申し上げます。
(署名)
企業との面接を断りたい
書類選考に通った後、企業との面接が決まっている時点で面接を断りたい(辞退したい)場合は、エージェントや企業からの信頼を失うことも覚悟しなくてはいけません。
面接を断ると、今後求人情報が紹介されなくなる恐れもあるため気を付けてください。
ここでは、面接前に面接を断る(キャンセル)する場合のメールの例文をご紹介します。
なお、企業との面接を断る際は、エージェントの担当者に対してメールに加えて電話や口頭でも説明を行ってください。
企業との面接を断りたい場合のメールの例文
件名:面接辞退のお詫び
〇〇エージェント株式会社
△△様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の△△です。
先日は面接のご案内を頂き、誠にありがとうございました。
大変心苦しいのですが、条件などを考慮した結果、
〇月〇日〇時に予定しておりました
面接を辞退させて頂きたく、ご連絡致しました。
お忙しい中、時間を割いて頂いたにもかかわらず、
このような結論となりお詫び申し上げます。
お手数をおかけして申し訳ございませんが、
ご了承のほどよろしくお願い致します。
(署名)
内定を断りたい(辞退したい)
内定が出た後に内定を断りたい(辞退したい)場合は、口頭で直接伝えるか、電話で連絡を入れるのが基本です。
担当者が忙しく、連絡が取れない時はとりあえずメールで連絡をして、改めて直接足を運ぶか、電話で連絡を取って事情を説明してください。
内定を断る場合も、今後のサポートや担当者、企業との関係にヒビが入ることを覚悟しなくてはいけません。
内定は入社承諾書を提出する前の段階であれば辞退できますが、入社承諾書を提出した後に辞退を申し出るとトラブルの原因となるため注意が必要です。
入社承諾書に法的拘束力はありませんが、企業やエージェントに多大な迷惑をかけてしまいます。
また、内定を断りたい(辞退したい)場合は企業に直接連絡せず、エージェントの担当者にまず連絡してください。
連絡を入れる場合は、内定が出てからすぐに断るのではなく、考え抜いた結論であることを示すためにも1日おいてからにしましょう。
内定を辞退するメールの例文
件名:内定辞退のお詫び
〇〇エージェント株式会社
△△様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の△△です。
この度は内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございました。
ご尽力頂いたにもかかわらず大変心苦しいのですが、検討の結果、
株式会社〇〇の内定を辞退させて頂きたくご連絡を差し上げました。
△△様には面談や応募書類の添削等、全てにおいてサポートして頂き、
お忙しい中、お手数をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんが、
何卒ご了承のほどよろしくお願い致します。
(署名)
転職活動を一時的に休みたい
事情が変わったなどの理由で転職活動を一時的に休みたい場合も、エージェント担当者からの連絡は放置せずに、自分から一時休止の連絡を入れてください。
転職活動を一時的に休みたい場合のメールの例文
件名:転職活動休止のお願い
〇〇エージェント株式会社
△△様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の△△です。
大変心苦しいのですが、一身上の都合により
転職活動を休止することとなりました。
直近で転職活動を再開する予定はございませんが、
再開の折には、求人をご紹介頂けましたら幸いです。
お忙しい中、時間を割いて頂いたにもかかわらず
大変申し訳ございませんが、
何卒ご了承のほどよろしくお願い致します。
(署名)
電話での断り方
状況によってはメールだけで断ると失礼にあたるため、電話で連絡を入れた方が良いケースもあります。
また、メールとは違い、担当者に確実に伝えられる点もメリットで、急ぎの連絡の場合も電話の方が適しているでしょう。
電話の場合、メールのような文字のやり取りだけでは伝わらないニュアンスや誠意を伝えることも可能です。
電話で断りの連絡を入れる時は、前述の通りなるべく営業時間内に電話するようにしてください。
急ぎの連絡でも、営業終了後1時間以内に連絡できなかった場合は翌日の営業開始後に連絡を入れます。
断る場合は理由を正直に伝える
書類選考を断りたい場合や、面接を断りたい場合、電話口で理由を正直に答えた方が今後の転職活動にも活かすことができます。
「知人の紹介で転職が決まった」などと嘘をつかず、理由を伝えた方が担当者のためにもなり、今後のサポートも受けやすくなるでしょう。