ここでは、学歴・職歴の欄から本人希望欄まで、パートの履歴書の書き方を詳しく解説します。
履歴書の書き方の基本
履歴書を書く際には、いくつか基本的なマナーがあります。
丁寧な字で記入する
履歴書を手書きで記入する場合は、略字などを使用せず楷書で丁寧に記入しましょう。
綺麗に書かれた履歴書は、それだけで採用担当者の第一印象が良くなります。
また、応募先から指定がなければPC入力でも構いません。
誤字・脱字に気をつけ 修正テープは使用しない
一項目記入が終わるごとに、読み返し誤字脱字がないか確認しましょう。
万が一間違ってしまった場合は、面倒でももう一度一から作成し直してください。
履歴書は正式な書類のため、修正液や修正テープなどで修正するのはマナー違反となります。
年号を統一する
日付、生年月日、学歴、職歴欄に記入する年号は、和暦(令和○年など)と西暦(2020年など)どちらを使用しても構いませんが、統一するようにしましょう。
また、H20など略字を使うのはNGです。必ず正式名称で記入してください。
基本情報欄の書き方
履歴書の基本情報欄の書き方から解説していきます。
日付を記入する
日付欄には、履歴書を応募企業に提出する日の日付を入れましょう。
例えば、事前に履歴書を郵送する場合は郵送する日の日付、面接の当日に履歴書を持参する場合は面接の日付を入れるのが良いでしょう。
氏名を記入する
氏名は正式な漢字で記入してください。
氏名の横に押印欄がある場合は、忘れず印鑑を押してください。その場合は認印を使用し、スタンプ印(シャチハタなど)は使用しない方が良いでしょう。
生年月日を記入する
日付同様、和暦、西暦どちらかに統一しましょう。
電話・メールアドレスを記入する
電話番号とメールアドレスを正確に記入しましょう。
特にメールアドレスを手書きする際は採用担当者が見間違う場合が多いため(例:”o(オー)”と”0(ゼロ)”など)、丁寧にはっきりと記入してください。
現住所を記入する
町名や番地は「3-2-11」ではなく「3丁目2番地11」のように記入すると丁寧な印象を与えることが出来ます。
また、マンション・アパートにお住まいの場合は、マンション・アパート名と部屋番号まで正確に記入しましょう。
顔写真を貼り付ける
履歴書の顔写真欄には必ず顔写真を貼付けましょう。
履歴書用紙の規格に合ったサイズを選び(一般的なサイズは縦4cm×横3cm)、服装はスーツやブラウスが無難です。
髪をまとめ、顔が明るく見えるよう適度な化粧すると相手に好印象を与えることが出来ます。
参考記事:「好印象な履歴書の証明写真の撮り方」
学歴・職歴欄の書き方
学歴・職歴は略称で書かずに正式名称で埋めていきます。
学歴は原則として高等学校から記入する
1行目の中央に「学歴」と記入し、その次の行から学歴を箇条書きにします。
学歴をどの段階から記入するかに明確な決まりはありませんが、義務教育である小中学校は省略し、高等学校から記入するのが一般的です。
学校名や専攻等は省略せず正式名称で記入する
学校名は学部、学科、コース、専攻まで省略せず全て書くようにしましょう。
間違いやすいケース
◇◇高校 → ◇◇県立◇◇高等学校 普通科
◇◇高校 → 私立◇◇高等学校 商業科
※「学校法人◇◇学園◇◇高等学校」などの場合は「私立◇◇学校」と省略してもOK
※大学からは「私立」「国立」などの表記はいらないケースが多い
職歴は経歴の古い順で記載するのが基本
1行目の中央に「学歴」と記入し、その次の行から学歴を箇条書きにします。
履歴書では経歴の古い順で記載するのが基本です。職歴はたとえ短期間であっても、全て記載しましょう。
会社名や部署は略さずに記入
職歴を書く際も、会社の正式名称を記載します。その際「株式会社」を「(株)」等で略さないようにしましょう。
社名が変わっている際は、入社当時の会社名称を書いた後にカッコ書きで現在の社名を記載します。
例:株式会社○○(現◇◇株式会社) 入社
正社員以外の場合はその旨を記載する
契約社員や派遣就業の場合、その旨を記載することが必要です。
契約社員やパートの場合は会社名称の後ろに「(契約社員)」「(パートタイム)」と記載しましょう。
また、派遣就業の場合は経歴によって書き方が複雑となります。自分に近い例を参考にしてみて下さい。
<例1:基本の記載方法>
<例2:基本の記載方法>
退職理由を簡潔に記載する
1社以上職務経歴がある場合、退職した月と退職理由も記載します。
ここでの退職理由は「一身上の都合により退社」「会社都合により退社」と書くのが一般的で、具体的な理由まで記載しなくても問題ありません。
職歴が書ききれない場合は「職務経歴書」を別に作成してもOK
中には職歴が多く履歴書の欄に書ききれない方もいらっしゃるかと思います。
その場合は、履歴書に可能な限り職歴を書いた後、「詳細は職務経歴書をご参照下さい」などと記載しても構いません。
仕事経験が少ない場合は職務内容を記載してもOK
過去にあまり仕事経験がない方は、会社名称の下に簡潔な仕事内容を記載しても構いません。
「コンビニエンスストアにて接客・会計・品出し・在庫管理業務に従事」「1日平均○○人のお客様を対応」などと記入することで、職歴欄の空白行を減らすと同時に採用担当者に職務経験をアピールすることができます。
最後は「定型文」を忘れずに記載する
現在在職中の場合は、職歴の最後に「現在に至る」と記入し、次の行に右詰で「以上」と記載します。
離職中の場合は、職歴の最後に「以上」のみ記載します。
資格欄の書き方
何か資格を持っている場合は、省略せずに記入しましょう。
免許・資格の名称は正式名称で記入する
他の履歴書欄とも同様、免許や資格の名前は正式名称で記入しましょう。
過去に取った資格で名称があいまいだという場合も、ネットで調べたり、合格証を確認したりするなどチェックを怠らないことが重要です。
記載の順番は運転免許から
免許・資格の厳格な記載順はありませんが、運転免許を初めに記入することが一般的です。
最後は「以上」を忘れずに記載する
全ての免許・資格を書き終わったら、次の行に右詰で「以上」と記載します。
書き忘れる方も多いため、チェックを怠らないようにしましょう。
参考記事:「履歴書の免許・資格欄の正しい書き方」
志望動機の書き方
志望動機の書き方を解説していきます。
興味を持った理由→きっかけ→自己アピールで書くと良い
志望動機は応募先の企業で働きたい理由や熱意を伝えるために大きな役割を持ちます。
書き方のポイントは、この求人に興味を持った理由→きっかけ(エピソード)→自己アピールで書くとまとまりやすくなります。
また、合わせて「自宅から職場までの通いやすさ」「勤務時間など労働条件に合わせやすいこと」などを記入すると、採用担当者が安心して採用しやすくなります。
趣味・特技欄の書き方
趣味や特技の内容が合否に直接影響することはほぼありません。採用担当者が「応募者がどのような人柄なのか」を見ている項目ですので、比較的自由に書いても構いません。
箇条書きで記載する
採用担当者は多くの履歴書に目を通しているため、一目で内容が伝わる書き方にすることが重要です。
趣味・特技欄に決まった形式はありませんが、箇条書きで簡潔に内容を記載するとよいでしょう。
空欄や「特になし」はできるだけ避ける
採用担当者は履歴書からできるだけ応募者の人柄を読み取ろうとしています。また、面接の際に質問のきっかけとなることも多い項目です。
そのため、空欄や「特になし」と記載するのは避けた方が良いでしょう。
「趣味や特技が何もない」という方も、自分の好きなことを思い出して書いてみましょう。
書かない方が良いのは「ギャンブル」「政治」「宗教」に関すること
先述した通り、履歴書の趣味欄では人柄を判断し、面接の時にも深掘りされる内容です。
例えば、ギャンブルなどは良いイメージを持たない採用担当者も多いため、避けた方が良いでしょう。そのほか、政治や宗教に関することも避けた方が無難です。
本人希望欄の書き方
週に働きたい日数や、固定で休みたい曜日などがあれば簡潔に記入します。
希望内容と理由をセットで記入する
本人希望欄には、勤務時間や休み希望日、通勤方法などの希望を記入します。
その際、希望だけを書くのではなく理由も一緒に添えると良いでしょう。例えば勤務時間の場合は「子供の送り迎えがあるため」、シフトの休み希望日の場合は「家庭の都合により」などと記入しましょう。
一方で、あまりに希望が多すぎると「自己主張が強すぎる」と思われる可能性もあります。応募企業が認めている範囲内での希望を記入しましょう。
希望がない場合は「貴社の規定に従います」と記入する
特に希望がない場合は、「貴社の規定に従います」と書くのが基本です。空欄や「特になし」と記入するのは避けましょう。
扶養家族欄の書き方
扶養家族欄はご家庭の状況によって書き方が異なります。パターン別に例を挙げて解説しますので、参考にして下さい。
配偶者の収入がメインで自分が扶養に入っている場合
配偶者(夫)がメインで働いており、自分が配偶者の扶養に入っている場合は扶養家族数は0人、配偶者は「有」、配偶者の扶養義務は「無」に〇をつけます。
配偶者の扶養に入っていない場合
夫婦ともに年収130万円を上回り、ご自身(妻)が配偶者(夫)の扶養に入っておらず、かつ子ども2人は配偶者(夫)の扶養に入っている場合も、扶養家族数は0人、配偶者は「有」、配偶者の扶養義務は「無」に〇をつけます。
母子家庭の場合
母子家庭の場合はご自身が子供を扶養しているため、扶養家族数は子供の人数、配偶者は「無」、扶養義務は未記入で構いません。
履歴書を封筒で送る際のマナー
住所は正確に記入する
企業の住所や例のように右上から正確に記入します。都道府県等も省略しないようにしましょう。
また「○-○-○」などと略さず、「○丁目○番地○」などと記載するほうが丁寧です。
会社の宛名は正式名称を記入する
応募企業の社名は(株)等の略字を使用せず、正式名称を中央に記入しましょう。
また、宛名の最後には「御中」または「様」を使い分け記載します。宛先の部署名がわからない場合は、「採用ご担当者様」と記載しても問題ありません。
<宛名の書き方例一覧>
履歴書在中を赤字で左下に書く
封筒の中身が履歴書であるということが一目でわかるよう、「応募書類在中」または「履歴書在中」と記入しましょう。
手書きする場合は赤いペンで記載し、その周りを赤い枠で囲みます。
切手は左上に貼る
切手は左上に貼りましょう。万が一の事を備え、スティックのりなどで貼ると剥がれるのを防止することが出来ます。
参考記事:「履歴書封筒の書き方・入れ方・郵送方法」
パート向けの正しい履歴書の書き方について解説しました。
職歴にブランクがある方や、業務経験に自信が無い方も、履歴書を丁寧に作成することで採用担当者に「この人なら仕事を任せられそう」という印象を与えることが可能です。
皆さんの求職活動が成功することを祈っております。