FXと株は何が違う?それぞれの特徴を踏まえてどんな人に向いているのかを解説!

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ポイント投資や自動取引など、投資サービスが増えたことで資金が少ない人でも投資が身近になりました。

「株式投資」と「FX」は、投資関連のワードでもよく耳にする言葉ですが、具体的になにが違うのかわからないと始めるのも不安ですよね。

今回はFXと株の違いについて理解し、それぞれの特徴とどんな人に向いている取引なのかを解説していきます。

 

FXと株の違いは「投資対象」が違う

FXと株の大きな違いは「取引対象」です。

FXの投資対象は「通貨」です。「通貨ペア」と呼ばれる2種類の異なる通貨の売買をすることによって、利益を出していく投資方法です。

米ドル/円で例えるなら、円高になったとき(米ドルが安くなったとき)に買い、円安になったとき(米ドルが高くなったとき)に売ることで差額分の利益が発生します。逆に円安の時に売っておいて、円高になったときに買い戻すことでも利益を発生することができます。

通貨の取引による利益だけでなく、買いの通貨を保有している間は2種類の通貨ペアの「金利差調整分」という利益が毎日少しずつ入ってきます。FXでは各国の通貨の取引が可能ですが、取り扱っている通貨ペアや独自の制度など、FX会社によって特色があるので注意が必要です。

株の投資対象は「企業」です。これから伸びると思える企業に投資をして、高くなったときに売ることで利益が出る他、一定期間の保有で株主優待権などの特典があります。

株式投資ができるのは上場企業で、投資したい銘柄を選び注文を入れます。証券会社ごとに取り扱いの銘柄が違い、海外の企業に投資をできることもあります。スターバックスや吉野家といった既に名が知れている有名企業は人気が高く、取引単位によっては高すぎて投資ができないとうこともあります。

よく人の好感度を「株が上がる」などと表現しますが、企業が良い成績を残していると人気が上がり株が値上がりしていきます。

FXと株は「取引可能時間」が違う

FXと株のもうひとつ大きな違いは「取引時間可能時間」です。

FXは土日を除いた24時間いつでも取引が可能です。早朝や深夜でも空き時間で取引ができるので、自分の確保しやすい時間で自由に取引をすることができます。

株の場合は平日の限られた時間しか取引ができません。平日9:00〜11:30、12:30〜15:00が株式投資の取引可能時間です。一般的な会社員であれば仕事の休憩中などに取引をする必要があり、頻繁な取引には向いていないことがあります。さらに、FXであれば祝日は取引が可能ですが、株は祝日の取引はできません。

専業主婦などで日中に自由にパソコンやスマホを見る時間がある人以外は取引時間の不便を感じることもあるでしょう。

FXと株で違うもの

FXと株は「投資対象」や「取引可能時間」以外にも、必要資金やレバレッジと呼ばれる投資方法が使えるかどうかなど、色々な違いがあります。

「レバレッジ」が使えるかどうか

「レバレッジ」とは、テコの原理のことを言いますが、FXと株ではレバレッジができる幅が違います。

FXではレバレッジを使うことで手元の資金を証拠金として25倍までの取引が可能です。資金が5万円なら125万円分の取引が可能になり、一気に大きな利益と手にできる可能性があります。逆に失敗すれば損失のリスクもあるのでレバレッジの利用は注意が必要です。

株の場合は通常の現物取引で1倍のレバレッジ信用取引で最大約3.3倍のレバレッジが利用できます。

信用取引は証券会社から株式やお金を借りて取をおこないます。そのため、借りたお金に対しての「金利」や借りている株に対しての「貸株料」などの手数料が発生する点にも注意が必要です。

株の1倍〜3.3倍のレバレッジと比べると、FXの25倍と比べればかなり低く、一気に大きく増やせる可能性はFXの方があるとも言えます。

最低必要資金のめやす

FX会社最低取引単位の多くは1,000通貨〜1万通貨です。1,000通貨単位であれば最低5,000円〜程度の資金から少しずつ取引を始めることもできます。上がったり下がったりに気持ちが左右されないためには取引の有無に関わらず5万円程度は口座入金しておくと安心です。

株の最低取引単位(単元)の多くは100株〜1,000株です。1株あたりの値段は企業に人気によって、数百円〜数万円と幅があります。人気企業の株を手に入れるためには、10万円〜数百万円程度の資金が必要になり、FXの数千円に比べるとハードルが高いです。

株によっては1株あたりが安いものもありますが、聞いたことのない企業の株を購入するのは初心者にとって「怖い」と感じる人も多いでしょう。

いまはFXも株も少額投資できるサービスが増えているため、どちらも数千円あれば気軽に取引が可能です。(証券会社による)

「少額投資」から想像できる金額は人それぞれ違うかもしれません。5万円〜10万円程度でも投資で言えば少額の範囲ですが、ここ最近は100円から始められる積立投資やおつり投資のサービスが多く、貯金がない人でも投資を簡単に始められる環境にあります。

少額投資で得られる利益は数円〜数十円という世界なので、最初は小銭の節約程度の稼ぎからコツコツと増やしていくイメージです。

利益の違い

投資で得られる利益には「インカムゲイン」「キャピタルゲイン」というものがあります。利益の総称は同じですが、FXと株では発生する利益の種類が少し違います。

投資で商品を保有しているときに得られる利益を「インカムゲイン(資産保有益)」と言います。

同じく、似た言葉で商品を売り買いする取引で得られる利益を「キャピタルゲイン(資産売却益)と言います。

FXは「買い」のポジションを保有している間「スワップポイント」と呼ばれる、2種類の通貨の金利差を調整するための利益が毎日発生します。これがFXのインカムゲインです。

また、「買い」もしく「売り」の注文を入れて、予想通り為替レートが動いたときに決済をすると差額分の利益が発生しますが、これがFXキャピタルゲインです。

株は売らずに保有していることで業績に応じて「配当金」がもらえることがあり、インカムゲインのことを指します。また、持っている株が買ったときよりも値上がりしているときに売却すると利益が発生します。これは株のキャピタルゲインを指しています。

 

変動する要因はなにか?

FXと株は、なにを理由に値動きがするのかという点も大きく違います。

投資対象が違うということを最初にお話ししましたが、通貨ペアとして選んだ国の経済状況(ファンダメンタルズ)に大きく左右されることがあります。また、金融政策などによってレートの変動が起こることがあります。

株は業績状況などによって大きく変動することがあります。業績がいい方向に伸びていれば「この企業は伸びるだろう」ということで、たくさんの人が株を買い、さらに株価は上がっていきます。逆に業績が悪化すれば、「いまのうちに売っておこう」と思う人も増え、株価が下がります。

わかりやすい例で言えば、3.11(東日本大震災)が起こった直後、安定していたと思われた東京電力の株価が一気に大暴落し、数々の投資家が膨大な損失を抱えたとされています。

自然災害を100%予想することは難しいですが、変動要因を理解して世界情勢にアンテナを貼っておくことも、大きな金額を投資する人ほど大事になってきます。

FXと株どちらを始めるのが良い?

FXと株は投資対象や、取引可能時間が違うので、生活スタイルや初期費用がどのくらいあるかに合わせて選ぶと良いでしょう。

FXが向いている人

FXは土日を除き、平日24時間取引ができるので忙しい会社員の人や少ない資金から始めてみたい人におすすめです。

FXの特徴をまとめると以下の通りです。

  • 投資対象は「通貨」
  • 土日を除く、平日24時間いつでも取引可能
  • 25倍までのレバレッジが可能
  • 最低取引単位は1,000通貨〜1万通貨
  • 5,000円程度から取引を始めることができる
  • 「買い」だけでなく「売り」の取引でも利益を狙える
  • 経済状況(ファンダメンタルズ)や金融政策で変動が起こる

必要資金はあくまでも目安で、本格的な取引を始めるのであればもう少し多めに資金があると余裕を持った取引ができます。

早朝・深夜・通勤時間などに取引ができるので、忙しい人や短期〜中期取引をしたい人にも向いています。

株式投資が向いている人

株は平日9:00〜11:30、12:30〜15:00が取引可能時間です。平日休みが定期的に取れる人や投資に回せる貯金を持っている人におすすめです。

株の特徴をまとめると以下の通りです。

  • 株の投資対象は「企業」
  • 平日9:00〜11:30、12:30〜15:00が取引可能
  • 現物取引で1倍まで、信用取引で約3.3倍までのレバレッジが可能
  • 取引単位の多くは100株〜1,000株
  • 人気企業の株を買うためには10万円〜数百万円の資金が必要
  • 業績状況によって変動が起こる

土日休みの会社員でも株で稼ぐことはできますが、休み時間が不定期な人・十分に取れない人などは取引のタイミングが取れないと感じることが多いでしょう。

中期投資〜長期投資くらいで長めに保有して取引のタイミングを待てる人や、株主優待件が欲しい人は株取引が向いています。

まとめ

FXと株にはどちらにも違った特徴があります。

最近は少額投資サービスが増えているため、FX会社・証券会社によっては最低取引単位も1通貨・1株からと気軽に投資が始められます。

今回の必要資金や取引単位は目安で、まとまった金額がないうちは少額投資から始めていくのが現実的です。

投資額が少なければ発生する利益も数円と少ないですが、損失を出してしまった場合も数円と、勉強代と思いやすいのではないでしょうか。

少額投資の場合、まずは興味を持ちやすい方から勉強して始めてみるのもおすすめです。

FX・株、どちらも各FX会社や証券会社が提供する運用をおまかせできるサービスも増えています。「必ずプラスになるわけではない」という損失リスクを理解しておくことが重要になりますが、おまかせ運用なら取引のタイミングを逃してしまうこともありません。

資金に余裕がある人は、ひとつの投資先に全額使うのではなく、分散投資をして自分と相性がいいサービスを見つけてみてください。

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