FXにはどんなリスクがある?初心者にもわかりやすく解説!

リスク管理

FX初心者の人のなかには「一気に稼げて一気に損するもの」という危ないイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。

FXでの取引でお金を増やしていくことができますが、当然失敗したときは「損失リスク」が付き物です。その資産運用の100%お金が増えることが保証されることはありません。元本以上に損することや立ち直れないほどのダメージを受ける前に、どんなリスクがあるか知っておきましょう。

FXを始める上で、リスクとして考えられるものをリストアップして解説します。

FXの損失リスクとは

FXの損失リスクはいくつかありますが、損失が起こる大きな要因は為替レートの変動によるものです。

大きな要因は為替レートの変動によるもの

FXの為替レートは、比較的安定した動きの通過ペアでも急上昇・急降下する可能性があります。

急な変動によって大きな利益が発生することもあれば、予想と反した動きなら大きな損失を抱えることになります。ある程度余裕資金があれば様子見することもできますが、時には損切りのタイミングが重要なこともあります。

レバレッジをかけた取引なら、さらに損失が大きくなるので取り返しのつかない事態となることもあります。

FXの様々な損失リスク

為替変動リスク

これから上がるだろうと思って「買い注文」を入れたのにどんどん下がってしまった場合や、下がるだろうと思って「売り注文」を入れたのに上がってしまった場合などに損失のリスクがあります。

金利変動リスク

ポジションを売買せず保有していた場合、2種類の通過ペアの金利差によってスワップポイントが発生します。

スワップポイントが毎日プラスになっていた場合も、金利変動によってマイナス方向へと逆転する可能性があります。

スワップポイントはポジションを保有している間毎日発生するため、すぐに決済ができなければコツコツと損失を増やしていくことにもなりかねません。

流動性リスク

FXの取引は、「買いたい人」「売りたい人」がいるから成立するものです。

そのため、極端に人気が少ない通過ペアの取引は思い通りのタイミングで決済ができない可能性があります。また、自然災害などなんらかの理由で一気に流動性がなくなったときにも同じように思い通りの取引ができなくなることがあります。

スリッページリスク

成り行き注文の場合、決済注文をしたタイミングによって約定価格が思ったよりも高い・低いことがあるのがスリッページリスクです。

利益が多い分に困ることはありませんが、急激な変動や注文が完了するまでの微妙なラグで、思ったよりも利益が少ないという可能性もあるので注意が必要です。

自動ロスカット

資金の一定額を下回った場合にこれ以上損失が出ないように「強制決済」されることが自動ロスカットです。

ギリギリの資金で運用していると、「決済までもう少しレートの復活を待ちたい」というときに強制ロスカットが起こり大きい損失を出してしまう可能性があります。準備資金が少ないことによる思わぬロスカットは損失リスクにも繋がりますが、急降下によって資金がゼロになるのを防ぐボーダーラインの役割もあります。

ほとんどのFX会社がロスカット制度を導入していますが、導入されていない場合は自分でボーダー設定をしない限りは発生しません。

追加証拠金(追証)が発生するリスク

ロスカットと似ていますが、レートの変動によって口座の必要証拠金の維持率が一定金額を下回ることで「追証(おいしょう)」が発生することがあります。

「これ以上下がったらロスカットされてしまう」といった状況のときに追加する証拠金を「追証」と呼びますが、FX会社によっては一定の金額を下回ったときに不足分の追証を入金することでロスカットを回避できるという「追加証拠金制度」というものがあります。

追証が発生した場合は不足分をFX会社が定める期日までに入金するか、期日までに入金がされない場合はそのとき保有するポジションがすべて強制決済となります。

ロスカット発生のタイミングはFX会社によって違いますが、多くの場合で50%を下回った場合にロスカット、100%を下回った場合に追証が発生するというボーダー設定があります。ロスカットが追いつかないほどの急激なレート変動は滅多に起こらないのですが、可能性はゼロではないということを覚えておきましょう。

レバレッジのかけすぎ

FXは最大25倍までのレバレッジ(テコ入れ)をすることで、少ない資金で多くの利益を得ることができます。

大きい利益が得られるメリットがある分、元本以上に損失が出る場合があるため、余裕資金が少ないうちは注意が必要です。

デモトレードやビギナーズラックで利益が出たからと言って、いきなり最大のレバレッジをかけて取引をするのは大きなリスクが伴います。

インターネットの不調やサイトメンテナンス

インターネットの不調やサイトメンテナンスによって、取引のタイミングを逃してしまう可能性があります。

自身のインターネット環境だけでなく、FX会社側の重大なトラブルや自然災害も全く起こらないとは言い切れないものです。サイトメンテナンスについては基本的に事前告知や決まった時間で行われると思いますが、取引する会社を分散するなどして対策をしておくと安心です。

リスクを減らすための対処法

FXでできるだけリスクを減らして取引するためには以下の点を意識しましょう。

  • デモトレードや少額取引から始める
  • 常に取引をしようとしない
  • 損切りのタイミングを見極める
  • 初心者のうちはレバレッジには手を出さない・かけすぎない
  • 慣れていない通貨ペアは避ける
  • 長期間の放置は避ける

特に初心者のうちはチャートをあまり見ず、勘でポジションをたくさん持ってしまう人が多いです。結局思い通りに動かずに泣く泣くロスカットということにならないためには、動きが読めないときには取引をしないことも大事です。

最初のうちは米ドル/円(USD/JPY)などメジャーで動きがわかりやすい通貨ペアを選びましょう。マイナーな通貨ペアな急激な変動をすることも多く、とりあえず持っておこうは損失リスクとなることがあります。

できるだけ損をしたくないという気持ちから、どんどんと含み益が増えてしまうこともあります。無理だと思った時は、思い切って損切りをして損失を出さないようにリスク管理することが必要です。また、感情に振り回されないためには自分でルールを決めておくと良いでしょう。

あまり変動しないからといって長期間の放置は危険です。ポジションを保有する間は取引をしなくても定期的な見直しを心がけてください。

「契約締結前交付書面」をしっかり読むことが大事

FX会社に新規登録する際は、契約締結前交付書面にしっかり目を通すことが大事です。

特にFX会社の書面は難しい言葉が多く、流し読みをして登録に進む人がほとんどではないでしょうか。資産運用のWEBページやポスターには「※元本割れのリスクがあります」などの記載があることがありますが、それぞれの会社の特徴を知らなければリスクを理解することはできません。

FX会社によって手数料やロスカットのルールなど、それぞれに違いがあります。

契約締結前交付書面にしっかり目を通すことで起こり得るリスクについてや取引の行われ方を理解しておきましょう。

まとめ

FXには様々なリスクがあります。

一番の損失リスクは、前述の通り購入したポジションが予想と反した方向へ動いてしまうなど「為替レートの変動」によるものです。FXに対してライトな取引を求めている人ほど、経済や金融の動向をあまり気にしない人も多いのではないでしょうか。

高金利通貨との通貨ペアを選ぶことで、毎日貯金のようにスワップポイントを貯めていた人も金利変動によって逆に支払いが発生するリスクも頭に入れておかなければなりません。FXは土日を除く24時間取引できることがメリットですが、インターネットを介した取引である以上システムトラブルや災害などで取引ができなくなるリスクもあります。

ただし、「生きていれば隕石が落ちてくるかもしれない」というようなリスクを考え出してはキリがありません。FXの取引前には会社ごとのメリット・デメリット・リスクを理解して、自分の余裕資金と相談しながら始めることをおすすめします。

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